M-1グランプリ2017で一番観客を笑わせたのはどのコンビ?


出典:M-1グランプリ2017公式HP

M-1グランプリの観客の笑い声を人工知能が分析

人工知能による笑い認識プロジェクトWARAI+(ワライプラス)では、人々の「笑い」を人工知能に学習させそれをさまざまな分野で活用することを目指しています。
今回は、観客の笑い声認識用の人工知能を作り、それを用いてM-1グランプリ2017の収録現場の笑い声を分析をしました。最終決戦で観客を一番笑わせたコンビを調べます。

M-1グランプリ2017のおさらい

M-1グランプリ2017では、まず予選会を勝ち抜いた10組がファーストラウンドでネタを披露します。このファーストラウンドで審査員の評価の高かった上位3組が決勝ラウンドへ進出することができます。 決勝ラウンドにおいて3組はもう一度ネタを披露し、審査のうえ優勝が決定します。
2017年に決勝ラウンドへ残ったのは、とろサーモン、ミキ、和牛でした。決勝ラウンドの審査で、7票中4票を獲得したとろサーモンが優勝し、3票を獲得した和牛は惜敗しました。
こうしたお笑いのコンテストにおける審査員の評価には漫才の「面白さ」のほかにも、漫才の構成、展開、ネタの内容などの要素が加味されています。

「面白さ」を公平に比べる

しかし、視聴者が期待しているのは、ややこしいことを抜きにして一番面白かったコンビは誰だったのかを決めてほしいということではないでしょうか。
「面白さ」は主観的な概念であるため、直接的に比較することは困難です。しかし、「面白い」という感情が表出された「笑い」の量を比べることによって面白さを公平に競うことが可能となります。
今回はまず、ファーストラウンドの3組の音声データを人工知能に学習させ、笑いとそれ以外の音声を識別できるよう訓練しました。次に、決勝ラウンドの3組の漫才を分析対象としてネタ中の笑いの割合(WARAI RATE)を算出しました。
(※昔のドリフのように笑い声が意図的に挿入されている番組の場合はこの分析は無意味です。今回のM-1グランプリは生放送であるためそうした加工はされていないと判断しました。)

解析結果――どのコンビが一番観客を笑わせたか?

早速解析結果を見ていきましょう。 下図は、音声波形と人工知能による笑いの判定結果および笑いの含有率(WARAI RATE)をひとまとめにしたものです。図の横幅一杯がネタの時間に相当し、中段の「笑い判定」では人工知能が観客の笑い声を認識して笑いと判定された部分が赤く着色されています。 WARAI RATEはネタ時間全部を100%としたときに、どれくらいの割合で笑い声が含まれていたのかを示しています。


とろサーモン(最終決戦)のネタ中の観客の笑い


ミキ(最終決戦)のネタ中の観客の笑い


和牛(最終決戦)のネタ中の観客の笑い

結果を見ると、とろサーモンが最も笑いの比率が高く、ネタ中の17.1%で観客が笑いました。次に和牛の16.1%、最後にミキの15.1%という結果となりました。
順位については審査結果と同一となりましたが、その差は僅差だったことがわかります。

最後に、各ネタの笑いの発生タイミングを俯瞰してみましょう。 とろサーモンのネタは博多大吉氏の評価にあったように、どのコンビのネタより笑いの発生するタイミングが圧倒的に早かったです。 ミキのネタは笑いの間隔が徐々に短くなっており、終盤にかけてたたみかかるようにうまく構成されています。 和牛のネタでは、前・中・後と3つのブロックに分かれ、特に後半に多くの笑いが発生するよう力を入れています。 どのネタも、笑いから笑いまでの時間が短く、漫才師のネタと実力の素晴らしさに気づかされます。

人工知能を用いることで、あらゆる音声・動画データに含まれる笑い声を検出することが可能です。
たとえばM-1の歴代のネタの中で一番観客が笑っていたのはどのネタか、ということも即座に調べることが可能です。
このような笑いの詳細分析や各ご利用シーンに合わせてカスタマイズも可能ですので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

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