大喜利をする人工知能!?笑いを生み出す仕組みとは(前篇)

すでにご存じのかたも多いかもしれませんが、今回は笑いを生み出す人工知能として開発されている 株式会社わたしはの「大喜利α」と「大喜利β」を紹介させていただきます。 前篇は実際に使用した様子と人工知能の「中身」についてお伝えします。

Twitterで即座に大喜利をしてくれる

大喜利αと大喜利βはいま、Twitter上で大喜利をしてくれる現在急成長中の大喜利の人工知能です。 Twitterのアカウントを作ればすぐに試すことができますので、早速試してみました。 大喜利αは大喜利のお題を作ってくれたり、ガヤ(ボケに対する反応)をしたりする人工知能で、 大喜利βは大喜利の答えを返してくれる人工知能です。

まずは、わかりやすい大喜利βを試してみました。
「なにかの調味料にかっこいいキャッチフレーズをつけてください。」と送ってみましょう。


お題を与え、大喜利βに回答をしてもらう


即座に返信が返ってきます。
答え / お題 として返信してくれるようです。

お題「なにかの調味料にかっこいいキャッチフレーズをつけてください。」
大喜利β「死.は友達 」


ブラックジョークですが、ユーモアがきちんと成立していることに驚きました。

今度は、大喜利αへ「名刺」というフレーズを与えて大喜利のお題を作ってもらいました。


大喜利αにお題を作ってもらう


出題「名刺」
大喜利α「【お題】大金持ちは、一万円名刺をこんな所で使う」


なかなかユニークなお題が返ってきました。「一万円名刺」とは一万円札に印刷した名刺でしょうか(犯罪?)。
お題自体がすでに面白いのですが、このお題を大喜利βに答えてもらいましょう。


大喜利αのお題を大喜利βに回答をしてもらう

大喜利α「大金持ちは、一万円名刺をこんな所で使う」
大喜利β「別れた妻の横」


一瞬何のことかと思いましたが、よくよく考えると、別れた妻に、 お金を見せつけたいがために無理やりお金を名刺代わりに使ってる状況が頭に浮かびます。
大喜利として成立する回答を出せるという点で、大喜利αも大喜利βもすぐれた人工知能が搭載されているということができるのではないでしょうか。
さらに、大喜利αには答えに対する反応(ガヤ)の機能も備わっています。 人工知能だけで面白い出題と回答、反応までカバーできるというなんとも素晴らしいシステムです。
なお、画像でお題を与えても、答えを返してくれるそうです。将来がさらに楽しみな人工知能ですね。

素晴らしい仕組み……中身はどうなってるの

どうやって答えを返すのか気になりますよね。 オモコロさんの「【世界初】大喜利ができる人工知能の開発者に会ってきた」 にいくつかヒントが掲載されていました。かいつまんで紹介します。

たとえば次のような大喜利があったとします。

お題:サンタクロースを怒らせてください
大喜利β:トナカイの写真を撮る


このシステムを作るためには、次のテップで人工知能を構成します。

  1. 日本語の意味のつながりが詰まったデータ群を学習させる
  2. お題から単語を抽出して関連する言葉を引き出しながら文章を組み立てる
    (たとえばサンタクロース → トナカイ)
ただし、これだけだと、ボケではなく関係のある言葉を返すだけになります。 ボケとして成立させるためには、最初のステップで関係のあるデータ群に無関係なデータ群を混ぜることが大事だということです。 難しいのは、関係のあるデータ群と無関係なデータ群の混ぜ具合で、ちょうど良い塩梅に調整することが必要だそうです。 すると、「トナカイの写真を撮る」といった絶妙なボケが生まれるという具合です。
次回の後篇では、データの混ぜ具合から一歩踏み込んで、人工知能のユーモアを生み出し方について笑いの研究から探ってみることにします。

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