笑って認知症予防!笑う生活習慣を身につけよう

笑いと健康シリーズ(7)笑いと認知症との関係
突然ですが、「はい」または「いいえ」で次の質問に答えてみてください。
- 周りの人から「いつも同じこと聞く」などの物忘れがあると言われる。
- 今日が何月何日かわからない時がある。
実はこれは認知機能の低下を調べるための質問項目の一部です。
本コラムの『笑うと頭がよくなる?大笑いで脳を活性化しよう!』では笑いが脳の短期的な認知機能の向上に役立つことを紹介しましたが、今回は笑いと認知症予防に関する調査・実験をもとに、笑いが長期的な認知機能の維持に役立つのかを考えます。
よく笑う人は認知機能が低下しにくい
大阪大学准教授の大平哲也先生(現・福島県立医科大学教授)は2007年に笑いの頻度と認知機能との関連について調査しました。
2471人(平均年齢59歳)を対象としたアンケート調査を実施したところ、「ほとんど笑う機会が無い」人は「ほぼ毎日笑う」人に比べて認知機能が低下している人の割合が2倍以上多い結果となりました。
ただし、この結果だけでは笑いが少ないから認知機能が低下したのか、認知機能が低下しているから笑いが少ないのかは分かりません。
そこで、上記の調査と同じ人を対象にして、1年後の認知機能の状態についても追跡して調べました。
その結果、「ほとんど笑う機会が無い」人は「ほぼ毎日笑う」人と比べて、認知機能が低下している人の割合が3.5倍以上多く、普段あまり笑わない人ほど1年後に認知機能が低下するリスクが増加することが示されました。
また、70歳以上の高齢者では半年間でMMSEという認知機能テストの得点が平均1点低下するという報告がありますが、大平先生が実施した別の実験 では、落語や笑いヨガ等を取り入れた「笑って健康教室」に定期的に通った人はMMSEの成績を半年間維持したという結果が出ました。
つまり、上記2つの調査・実験から普段からよく笑う人は認知機能が低下しにくいことがわかったのです。
(大平哲也, 2010, 「認知症予防を目的とした笑いの効果についての実践的研究」)
こんな人は笑いが少なくなりがち!
認知機能が低下するリスクを少しでも抑えたいなら普段から笑うことが必要です。
先述の大平先生のアンケートでは、次の項目に該当する人は日常生活において笑いが少ないことが分かっています。
- 高年齢(特に70歳代以上)
- 男性
- うつ症状がある
- 野菜をあまり食べない
- 喫煙をする
- 外出する機会が少ない
- 日常生活機能が低下している
笑いを増やすためには普段からよく笑うことを意識することも大事ですが、身の回りの環境を整えてより笑いやすい状況を作り出す工夫も大事なのです。
「日記」や「アプリ」を活用しよう!
ところで、あなたは普段どれくらい笑っているでしょうか。
この質問に正確に答える方法は笑うたびにその数を数えることなのですが、それを日々実践するのは至難の業です。
さらに、笑いには脳をリセットする機能があるため、人間は笑ったことを覚えていないものなのです。
「最近笑ってないなぁ」と心当たりがある人は一度自分の笑いについて「日記」や「手帳」で記録をしてみることをおすすめします。
いつ、なにで、どれくらい笑ったのかという3点を記録すれば、すぐに思い出すことができます。
大平先生のアンケートでは「ほぼ毎日笑う」ことが認知機能の維持に役立つという結果が出ていますので、毎日1回以上笑うことを目指してみましょう!
WARAI+では笑いの量を記録できるWARAI+Recorderアプリを提供しております。「笑いの万歩計」として日々の笑いを増やすお供としてご活用ください。
まとめ
最近の調査・実験において、普段から笑うことが認知機能の維持に役立つことがわかってきました。
日々の笑いを増やすためには、笑うこと自体を生活の中に取り入れ習慣にしていくことが肝要になってきます。
「日記」や「アプリ」をうまく活用して、笑う生活習慣を身につけて笑って認知症を予防しましょう!