世界初!「笑いのツボ」で相性診断


笑いで本音の相性診断ができる

友人とテレビや映画を見ているとき、笑うタイミングがぴったり合って「この人とは相性が良いな」と思ったことはありませんか? あるいは、恋人がゲラゲラ笑っているのに自分にはその面白さが理解できずに笑えなかったとき、「この人と相性はあまり良くないかも」と思ったことはありませんか? 同じものを見聞きして笑うこと、いわゆる「笑いのツボ」が合うことは、各人の思考経路の類似性、つまり、相性の良さのあらわれです。

相性診断は世にたくさんありますが、いつ笑ったのかという「笑いのタイミング」を用いることで嘘偽りのない本音の相性診断を出すことが可能です。 作り笑いと心からおかしいと思った時の笑いとでは「笑いのタイミング」がずれることを利用するのです。 私はかつてこの関係に着目し、笑いのタイミングの合致度から各個人同士の相性を診断する方法を開発したことがあります。

今回は、映画鑑賞中の笑いデータを材料とした「笑いのツボによる相性診断」をご紹介します。

一緒に笑ったタイミングを見える化!

さて、今回使用するデータは映画「家族はつらいよ」鑑賞中の30代から40代の女性2名・男性2名の計4名の笑いデータです。 なお、測定時に4名は映画館の離れたところに着席しており、お互いへの影響を極力排除しています。

まずはAさんとCさんの相性を見てみましょう。
次の図は、映画鑑賞中のAさんとCさんの笑いの有無の変遷を示したものです。


今回は、全108分の映画を1分ごとの区間にわけて笑いの有無を集計しました。
この図では、Aさんだけが笑った区間を赤色に、Cさんだけが笑った区間を水色に、AさんとCさんの両者が笑った区間を紫色に着色して表示しています。 図からは、AさんとCさんがともによく笑っていたことと、映画の中盤以降においては紫色の部分が増えており、この2名は頻繁に一緒に笑っていたことが読み取れます。

詳細に見てみましょう。映画中の全108区間のうち、Aさんは63区間(図中の「赤色+紫色」に相当)で笑っており、 Cさんは57区間(図中の「水色+紫色」に相当)で笑い、AさんとCさんが一緒に笑った区間数は45(図中の「紫色」に相当)でした。
2人が笑った時間の中で一緒に笑った時間の割合を両者の相性としたとき、今回の相性は次式で計算できます。


なお、この式において分子の「2名が一緒に笑った区間数」(図中の紫色に相当)を2倍している理由は、 分母の「2名が笑った区間数の合計」(図中の 赤色+紫色+水色+紫色に相当)が2人分の笑いを重ね合わせなしで集計したものであることに対して、 この部分は2人分の笑いを重複して集計した部分であるためです。
早速、この式を使ってAさんとCさんの相性を求めてみましょう。


75%の区間で一緒に笑っており、両者の相性が高いことがわかりました。

それでは、相性が良くない例も見てみましょう。
次の図は、映画鑑賞中のAさんとDさんの笑いの有無の変遷を示したものです。


この図は、先ほどのAさんとCさんの笑いの有無の図と同様、1分ごとの区間の笑いの有無を笑った人別にあらわしたものであり、 赤色はAさんだけが笑った区間を示し、紫色はAさんとDさんが同時に笑った区間を示しています。 なお、Dさんが単独で笑っている区間は無く、Dさんが笑ったときにはAさんも笑っていました。 図中の紫色の部分が少ないことから、AさんとDさんは映画鑑賞中に同一のタイミングで笑うことが少なかったことが見て取れます。 そもそも映画全体におけるDさんの笑った区間は少なく、全108区間のうち13区間で笑っただけでした。
AさんとDさんの相性を計算すると以下のようなりました。


Aさんはたくさん笑ったのですが、Dさんの笑いが少ないため34%と両者の相性は低い結果となりました。

相性診断結果一覧

前項の要領でAさんからDさんの各々の相性を算出し、まとめたものが次の表です。


笑いのタイミングを用いた相性診断結果

全体的には、今回鑑賞した映画はよく笑えるものであり、よく笑う人同士で笑いのタイミングが合っている回数が多ければ多いほど、相性は良いという傾向が出ました。 逆に、あまり笑わなかった人との相性は、相手がどれだけたくさん笑っていても一緒に笑う比率が低くなるため、相性は良くないという結果となりました。

個別で見ると、最も相性が良かったのは、AさんとCさんの75%でした。 計測後に聞いたところ、Aさん(女性)とCさん(男性)は知り合い同士で仲がよかったとのことです。
二番目はAさんとBさんの68%です。同年代の女性同士ですので、笑いのタイミングも合いやすかったのでしょうか。
最も相性が低かったのが、CさんとDさんの23%で、ともに男性で年齢も少し離れています。
このように、笑いのタイミングから妥当と思われる診断結果を出すことができました。

世界初の笑いによる相性診断

「笑いのツボによる相性診断」は世界初の相性診断方法です。 このシステムのメリットは、「映画『家族はつらいよ』鑑賞中の笑いを見える化!」で ご紹介した複数人計測システムを用いているため、笑って楽しみながら手軽に相性診断できることです。 また、なんといっても笑いは人間の正直な反応であるため、アンケート等を用いた相性診断と比べてより正確な相性診断が可能なことが最大のメリットです。 「このペアはこのペアより何倍相性が良い」ということも妥当な数値で算出して示すことができるのです。 今回は1分ごとの区間で笑いの有無を集計したのですが、より短い200ms程度の区間ごとに集計して相性診断を行えば、さらに緻密な判定も可能です。

今後は現在構想中のWARAI+の多人数計測用アプリWARAI+Connect(ワライプラス・コネクト)の一機能として搭載できればと考えております。 エンタメはもちろん、「婚活」や「面接」等の様々なシーンで活用できればと考えておりますのでどうぞご期待ください!

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