笑いの名言集 ことわざ・格言編

「笑い」はどう使われているのか?

ありふれた行動である「笑い」に関して人々がどのように捉えているのか、さまざまな名言から探ってみる「笑いの名言集」シリーズ。 第五回は、今となっては誰が言い始めたのかわからない笑いに関する「格言」や「ことわざ」を紹介します。 以下の名言集の「笑」をキーワードでサーチした結果を用いました。 国・地域など出典別にまとめました。

日本


  • 笑い栄ゆ

意味:笑顔や笑いは、夫婦円満・家庭円満をもたらし、また商売繁盛をもたらす。

ちなみに、「笑い栄ゆ」や「笑み栄ゆ」は、「大いに笑う」「華やかに笑う」という意味で古来から使われてきていました。
「かぐや姫の、暮るるままに思ひわびつる心地笑い栄えて」〈竹取〉
「老い忘れ齢(よはひ)延ぶる心地(ここち)してゑみさかえて」〈源氏物語 明石〉
「栄える」が「華やか」という意味から「繁盛する」という意味が一般的になり現在の意味に至ったのではないでしょうか。

中国


  • 笑中に刀あり

意味:うわべは優しそうであるが、内心は陰険で、人を傷つけ陥れようとしていることのたとえ。笑中に刃(やいば)を研ぐ。(デジタル大辞泉)

『旧唐書』(くとうじょ)(中国・唐の歴史書)から。中国・隋末から唐初にかけての政治家であった李義府(リギフ)は外見は穏やかですが、心が狭く陰険で、権力をにぎってからは自分に逆らう者はすぐおとしいれたそうです。このことから人々が、「李義府は笑いのなかに刀がある」と言ったという故事が由来となっています。同じような中国由来の言葉で「笑うものは測る可(べ)からず」(新唐書)があります。笑っている人間は、その真意が分からないので恐ろしいという意味です。つくり笑いには本心を隠す機能もあるのです。

ドイツ


  • 笑って暮らすも一生、泣いて暮らすも一生。
    Die Lebensspanne ist dieselbe, ob man sie lachend oder.

意味:悲しんで暮らしても、愉快に暮らしても、一生は一生だから、愉快に暮らさなければつまらない。(デジタル大辞泉)

達観したことわざですね。生きていれば良いことも悪いことも起きるもの。たとえ悪いと思えることでも、それに黙って耐えるだけではまた同じような目に遭うでしょう。悪いことを直視し、経験できたことをポジティブにとらえれば、悪いことを減らす手立てとなるのです。

イギリス


  • 最後に笑う者が一番よく笑う。
    He laughs best who laughs last.

意味:早まって喜ぶな(デジタル大辞泉)

何事も途中経過よりも最後の結果が評価に直結するのだ、ということです。「最初の哄笑より最後の微笑」、「勝者は笑う」 という類語もあります。このことわざはドイツが発祥という説もあります。

西洋(国不明)

  • 人があやしてくれる時には笑いなさい。でないと、やがて人はあやしてくれなくなりますよ。
  • 笑いなさい。世界が一緒に笑うだろう。泣きなさい。あなたは一人で泣くだろう。
  • 旅人よ、誰にも微笑むがよい、みんな淋しいのだから。

偶然かもしれませんが、笑うことを推奨するものが多いですね。陸続きで国が存在し、笑うことが言葉や文化の壁を超えるツールであったことが想像されます。

ローマ帝国(遺跡の落書き)


  • 狩りをし、風呂に入り、ゲームをし、笑う。それが人生だ。

ゲームのキャッチコピーのようですが、狩りが仕事だったはるか昔の落書きです。

『タルムード』(ユダヤ教の聖典)


  • 腹が減ったなら歌え。傷付いたなら笑え。
  • 自分を笑うことができる者は、他人に笑われることが無い。

含蓄に富む格言です。1つ目:笑いによる鎮痛効果があるということが報告されていますが、その効能を経験的に感じていたのでしょう。2つ目:他人の失敗は笑いやすいですが、自分の失敗になるとなかなか笑えるものではありません。自分を笑うことができる人は、「失敗をした自分」と「それを見ている自分」とを分離することができた人です。つまり、自分を客観視できる人なのです。

みなさんの心に残る名言は見つかりましたか?

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