笑いの名言集 コメディアン編
「笑い」はどう使われているのか?
ありふれた行動である「笑い」に関して人々がどのように捉えているのか、さまざまな名言から探ってみる「笑いの名言集」シリーズ。 第四回は、お笑いのプロ、コメディアンたちの笑いに関する名言を紹介します。名言は以下の名言集の「笑」をキーワードでサーチした結果を用いました。
コメディアンたちの「笑い」の名言
前掲データベースに登録されている「笑い」に関する名言の中から「コメディアン」「喜劇俳優」「漫才師」「落語家」などの肩書を持つ人々の名言を集めました。 検索結果のなかから著名な人物の発言をピックアップして紹介します。
チャップリン(イギリスの喜劇俳優・脚本家・映画監督、1889-1977)
- 無駄な一日。それは笑いのない日である。
- 笑いとはすなわち反抗精神である。
- しばしば、とんでもない悲劇がかえって笑いの精神を刺激してくれる。

チャップリン
ボブ・ホープ(米国のコメディアン・喜劇俳優、イギリス出身、1903-2003)
- 笑いは、耐えられないような涙を、耐えられるものに、望みがあるものにすら変える。

ボブ・ホープ
ビル・コスビー(米国のコメディアン・俳優、1936-)
- つらい状況も笑いを通して方向転換させることができる。何事にでも、貧しさにすら、ユーモアを見つけられたら、それを乗り越えることができる。
10代目 柳家小三治(落語家、1939-)
- 笑わせるもんじゃない。つい笑ってしまうもの。これが芸だと思うんですね。笑いの中にこそ真実がある。
萩本欽一(コメディアン、タレント、1941-)
- 「笑い」は相手がいて、初めて生まれるんだよ。相手を信用しないと笑えないよ 。
- 「ツッコミ」をまともに受けてしまって、「ボケ」にまわらないから暗くなるんです。「ツッコミ」を、暗くならずに明るくかわせば、「笑い」になる。
ビートたけし(コメディアン、漫才師、映画監督、1947-)
- 笑いは差別だって思っているところがあるからね。差別的な意見で人が笑うところ、あると思う。それがないと、かなりの笑いがなくなるんじゃないかと思う。
島田洋七(漫才師、作家、1950-)
- 人がこけたら笑え。自分がこけたらもっと笑え。人はみんな、こっけいだから。
志村けん(コメディアン、お笑いタレント、司会者、1950-)
- お笑いみたいなものでも、常識を知らないと本当のツボというものがわからない。常識は基本線で、お笑いはその常識という基本線をひっくり返すところで、コントとして成り立っている。だから、笑えるワケよ。お笑いに限らず、常識をバカにする奴に、常識を超えたことは絶対に出来ない。
- よくマンネリと言われたけど、僕は笑いにはマンネリは絶対に必要だと思う。お客さんにすれば、「たぶんこうするよ、ほらやった」と自分も一緒になって喜ぶ笑いと、「意表を突かれた、そう来たか」とびっくりする笑いの2種類あると思う。全部意表を突かれてしまうと、お客さんも見ていて疲れてしまうだろう。
立川談四楼(落語家、作家、1951-)
- どんなことでもそれを逆手に取り、笑いにつなげるのは落語家の王道でもある。
明石家さんま(お笑いタレント、司会者、1955-)
- 俺は幸せな人を感動させたいんやなくて、泣いてる人を笑わせて 幸せにしたいんや。これが俺の笑いの哲学や。
松本人志(お笑い芸人、映画監督、1963-)
- 笑いっていろいろ種類があるけど、僕の笑いは意外性の笑いだから、どんな頭のいい人でも笑わすことができたというのは、その人が予想もつかないことをいえたっていう、なんか優越感みたいなものを覚える。僕にとってその瞬間が、この仕事の醍醐味(だいごみ)だ。
集計
コメディアンの笑いに関する名言には笑いの理論が多く含まれていました。それは特に日本のコメディアンの名言に顕著でした。 たとえば、ビートたけしさんの発言は「優越理論」に該当しますし、志村けんさん、松本人志さんの発言は「不一致理論」を支持するものです。 興味深いのは、こうした方法論より、笑いによるネガティブからポジティブへの逆転現象に関する発言が多い点です。 チャップリンから明石家さんまさんまでの多くの発言にその要素を見出すことができます。
ピックアップ名言
最後に筆者の心に残った名言をピックアップします。
チャップリン「無駄な一日。それは笑いのない日である。」
ユーモア理論の不一致理論によると、ユーモアとは図式のズレによって生じるものです。
図式のズレとは予期との不一致であり、これは新しいモノとの出会いによって生じるものです。
チャップリンはオーソドックスに笑いを幸せの尺度としてとらえていたのかもしれませんが、
その一方で常日頃新しいモノとの出会いを重視していたのかもしれません。
10代目 柳家小三治「笑わせるもんじゃない。つい笑ってしまうもの。これが芸だと思うんですね。笑いの中にこそ真実がある。」
10代目 柳家小三治は2014年に人間国宝に認定されました。
素人が笑わせようとすると話し方が不自然になってしまいがちですが、あたかもその場で初めて行われたものであるかのうように自然に話を展開し、観客を引き込むことがプロの笑いの技術なのです。
みなさんの心に残る名言は見つかりましたか?
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