一番面白いコントは?笑い声から分析するキングオブコント2017

笑い計測プロジェクトWARAI+(ワライプラス)のコラムへようこそ。 お笑いのプロである審査員による評価と視聴者が抱く「面白さ」の評価は、たびたび異なります。その原因は主に、プロはネタが面白いかどうかという点に加えて、ネタの構成や新規性、芸の熟達度など多様な視点から評価をおこなうことにあります。また、優勝した芸人には仕事が殺到するため、審査員側にも特定の事務所の芸人を勝たせたいという「見えない力」が働いているのではないかという疑念を抱く人もいるようです。 笑いを計測してその量で勝ち負けを決めることで、公平に面白さの採点をおこなうことができます。今回は、そのデモンストレーションとして、笑い声の計測・比較アプリWARAI+Recorderを用いて、2017年10月1日に放送されたキングオブコント2017(TBSテレビ)を題材に、笑い声の量という点から面白さの分析してみました。

キングオブコント2017とは


出典:キングオブコント2017公式HP

キングオブコントはコントの芸を競う大会です。芸歴制限はありません。今回は2477組が優勝を目指して戦いました。まず、予選を勝ち抜いた10組がコントを披露して1stステージを争い、得点上位5組がファイナルステージに進みます。ファイナルステージまで進んだ5組はさらにコントを披露し、1stステージのコントの得点とファイナルステージのコントの得点を合計して最高得点を得た組が優勝、という塩梅です。審査員はダウンタウンの松本人志氏、さまぁ~ずの大竹一樹氏と三村マサカズ氏、バナナマンの日村勇紀氏と設楽統氏の合計5名です。審査員ごとに持ち点は各100点で合計500点満点の採点となります。

まずは1stステージです。番組審査員の採点結果をご覧ください。


1stステージのコントの採点表(上から登場順、敬称略)

にゃんこスター、かまいたち、さらば青春の光、ジャングルポケット、アンガールズが高得点を獲得し、ファイナルステージに進みました。ファイナルに進んだ組の最高得点はにゃんこスターの466点で、最低得点はジャングルポケットとアンガールズの452点です。わずか14点の間に5組がひしめく混戦模様となりました。

次に、ファイナルステージの採点結果です。


ファイナルステージのコントの採点表(上から登場順、敬称略)

かまいたちが478点の今大会最大得点を獲得し総計942点で他を引き離して優勝しました。

WARAI+Recorderで測定

周囲の笑い声を計測するWARAI+Recorderアプリを使って、各コントの視聴中にどれくらい笑いが発生したのかを計測します。計測対象は私1人の笑い声です。番組内の笑い声が入らないよう、テレビの音はヘッドホンで聞きました。なお、今回は1人のみの測定ですがアプリ同士を連携し複数人の笑い声を同時に測る構想もあります。計測方法の詳細については、R1ぐらんぷり2017の笑いを測った、本当に面白かった人は?2017年R-1ぐらんぷりの笑いを測ってみたをご覧ください。

早速、1stステージの笑い声測定結果をご覧ください。


1stステージの笑い声計測結果(WARAI RATEが高い順、敬称略)

キングオブコントのネタ時間は4分(240秒)だと思われますが、最短190秒(にゃんこスター)、最長260秒(かまいたち)という具合にばらつきがあったので、比較の指標として「WARAI RATE」を用いました。WARAI RATEは計測時間中の笑い声の比率であり、4分の間に1分間笑っていた場合、WARAI RATEは25(%)となります。

WARAI RATEはかまいたちが最高の19%、わらふじなるおとにゃんこスターが13%、アンガールズが8%、ジャングルポケットが7%、さらば青春の光が4%でした。順位に関してはわらふじなるおの順位以外は、審査員がつけたものと大差ない結果となりました(下表)。


1stステージ 番組審査員とWARAI RATEのスコア比較(スコアの高い順、敬称略)

わらふじなるおは、最初の登場となったので、審査員も採点がむずかしかったのではないでしょうか。WARAI+Recorderでは2位だったため、今回は運がよくなかったのかもしれません。なお、一人の笑い声だとその人の好みが結果に大きく反映されますから、数人で計測することでさらに信頼のおける結果になるでしょう。

次はファイナルステージの結果です。


ファイナルステージの笑い声計測結果(WARAI RATEが高い順、敬称略)

かまいたちが10%、にゃんこスターが5%と、ジャングルポケットが2%という順です。かまいたちのほうがにゃんこスターより2倍笑いをとった、という具合に数値の大きさが比較可能というのも、WARAI+Recorderの特長です。全体的にファイナルステージは笑い疲れたのか笑いの量としては1stステージより減少傾向にありました。優勝したかまいたちがダントツの1位になっているのは、審査員と同様の結果となりました。

審査員がつけた順位とWARAI RATEの順位を比べてみましょう(下表)。


ファイナルステージ 番組審査員とWARAI RATEの順位の比較(スコアの高い順、敬称略)

さらば青春の光の順位以外は合致しています。私が、さまぁ~ずの三村さんと同様、さらば青春の光のコントを「こういうことってあるのかなぁ」と真面目に見てしまったのが笑いが少なかった原因かもしれません。

ちなみに、今回一番大きな笑いが出たのは1stステージのかまいたちのネタでした。最大9秒という笑いがありました(MAX WARAI TIME)。ソートが可能なので自分の好みのネタを探すのも簡単です。


WARAI+RecorderのMAX WARAI TIMEでソート(敬称略)

WARAI+Recorderを使えば、審査のプロをそろえなくても、お笑いの大会を開催できます。
みなさんもぜひお試しください!

WARAI+Recorderのダウンロードはこちら
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※咽頭マイクをお持ちでない方は、動画の音と自分の声とを分離するために、動画の再生機器にヘッドホン・イヤホンを接続する必要があります。

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