《笑い祭り》年末年始の笑い祭り4選

日本には、笑うことを神事や祭りの主に据えた「笑い祭り」が数多くあります。 そんな「笑い祭り」を一つ一つ掘り下げて紹介するシリーズ《笑い祭り》。第五回目は年末年始の笑い祭りを4つまとめてご紹介します。笑い納めや初笑いにお近くの笑い祭りへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

1.千葉笑い(千葉県、12月31日)

神事・祭りデータ

場  所:千葉寺境内(千葉市中央区千葉寺町161)
アクセス:京成電鉄千原線千葉寺駅から徒歩15分/JR本千葉駅から徒歩15分
開催時期:毎年12月31日 午後2時~午後3時
地  図:下記参照

詳しくは次のHPをご覧ください。 千葉市観光ガイド

「千葉笑い」はこんな祭り

千葉笑いは、悪態をついて笑う「悪態祭り(悪口祭り)」の一つです。時は江戸時代、千葉市の千葉寺において大みそかの夜に住民が顔を隠して集まり、役人への批判や社会風刺をして笑いました。住民の憂さ晴らしとしておこなわれる一方で、社会の改善点を共有して、より良い社会にしていくための意見交換会としての機能があったと推察されています。千葉笑いは江戸時代には名の知れた行事で、小林一茶の句や高田興清の「相馬日記」にも登場しますが、幕末ごろに行われなくなります(詳しくは小林貞二著『千葉笑い』(恒文社)をご覧ください。逆から読める面白い本です)。この祭りがまちおこしの一環として現代によみがえって毎年大みそかに千葉寺で行われています。

2.シイトウ祭り(静岡県、1月1日と第一日曜日)

神事・祭りデータ

場  所:四所神社(静岡県浜松市滝沢町158-1)/林慶寺(静岡県浜松市北区滝沢町1406)
開催時期:四所神社:毎年1月1日/林慶寺:毎年1月第一日曜日
地  図:下記参照

四所神社

林慶寺

「シイトウ祭り」はこんな祭り

シイトウ祭り(シート―祭り、シイト祭り)とは、静岡県浜松市滝沢町の四所神社と林慶寺で行われる国選択無形民族文化財「滝沢のおくない」の一つです。この祭りはかつては安楽寺大日堂で行われていましたが、神仏分離令によって神社と寺の2か所で行われるようになりました。四所神社のシイトウ祭りでは、「ネンネコ様」という赤ん坊をかたどった稲を小禰宜が背負い、シイトウ餅を持った小世話人がネンネコ様を笑わせようとたすきに掛けた片方の足を回して地面を「ドン」とたたきます。これを合図に、その場にいる人々が笑う、という祭りです。林慶寺のシイトウ祭りも基本的には同じです。
ネンネコ様を笑わせることによって、村中が一年中笑って暮らせるようにという願いが込められているといいます。また、子孫繁栄や五穀豊穣への願いも込められています。足で地面を叩く所作はネンネコ様を驚かすためとされています。
詳細は『滝沢のシシウチ行事-国選択無形民俗文化財記録保存報告-』をご覧ください。

3.年振り祭(京都府、1月3日)

神事・祭りデータ

場  所:西山神社(京都府亀岡市畑野町千ケ畑西山1-11)
アクセス:JR嵯峨野線「亀岡」駅から京阪京都交通バスで「国道佐伯」下車、亀岡市ふるさとバスに乗り換え「千ヶ畑」下車
開催時期:毎年1月3日
地  図:下記参照

「年振り祭り」はこんな祭り

年振り祭とは、地域から選ばれた「六人衆」の「大歳、小歳、三妙黄金、鈴の稲粒五尺の穂たけ、エンゲン」ととなえ、村人は全員シキミ、団子もち、杉の小枝を束ねたものを振りあげ、その年の恵方に向かって「ワッハッハ」と初笑いをする祭りです。五穀豊穣を祈る行事です。

4.初詣初笑い神事(和歌山県、1月初旬)

神事・祭りデータ

場  所:丹生神社(和歌山県日高郡日高川町江川1956)
アクセス:JR御坊駅からバスで10分・無料シャトルバスあり
開催時期:2018年は1月2日~3日 10:00~15:00
地  図:下記参照

「初詣初笑い神事」はこんな祭り

初詣初笑い神事は、10月に行われる「笑い祭」から派生して近年始まった祭りです。その名の通り、初もうでと初笑いをみんなでしようという祭りで、派手な衣装の「鈴振り」と一緒に参拝客が大笑いします。「笑い祭」の解説が行われたり、掛け声指導、枡持ちの体験までさせてもらえます。

まとめ

いかがだったでしょうか。大勢で集まって笑うことで普段と違った笑い体験ができます。私たちは楽しい出来事があってから笑うということに慣れていますが、逆に、昔の日本人は笑うことで楽しくなり、福を呼び込もうとしました。年末年始は笑い祭りが数多く行われます。福を呼び込みに、近所の祭りがあれば参加してみてはいかがでしょうか。

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