病院に笑いを届けるホスピタル・クラウン
クラウンとは?
クラウンは道化師のことです。 日本では道化師のことを「ピエロ」と呼ぶことが多いですが、実は誤りで「クラウン」が正しい呼び名です。 ピエロはクラウンの役柄の一つを指し、白い顔に悲しげな表情で涙を浮かべているのが特徴です。 日本でピエロを見かけることはほとんどなく、たとえば、マクドナルドのドナルド(ロナルド)はピエロではないんですね。 ちなみにクラウンの綴りはCROWN(王冠)ではなく、CLOWNです。
クラウンはサーカスにおいて、ショーの「間」をつなぐ役割で活躍しています。 たとえば空中ブランコ・ショーが終わって道具を片付ける間、ステージにサッと登場してお客さんを笑わせ、お客さんを退屈させないようにするのです。 メインのショーの「脇役」なのですが、お客さんの心境を把握し、当意即妙で今一番求められる芸を繰り出すことが求められます。 ぶっちぎりの才能があることはもちろん相当の訓練を積まないとクラウンになることができません。 実はサーカスでの一番の高給取りは誰あろう、クラウンたちなのです。

クラウン 写真:John De Jong
ホスピタル・クラウンのはじまり
アメリカ人医師のパッチ・アダムス氏(1945-)、本名Hunter Campbell Adams氏は愛とユーモアによる診療を標榜し、 病院でのクラウン活動を始めました。これが病院の道化師、ホスピタル・クラウンの始まりです。 ホスピタル・クラウンは、患者やその家族、ときには医療従事者も巻き込んで笑わせることで、人々の幸福感や心身の健康を高める活動をします。 欧米では病院に常駐するクラウンが存在するほどその活動が盛んな国もあるそうです。 氏の活躍は『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー 』(1998年、主演ロビン・ウィリアムス)と題して映画化され、 大変な好評を博し、多くの人が病院でのクラウン活動をこの映画を通して知ることとなりました。 実話をもとにした笑いあり涙ありの映画となっています。

パッチ・アダムス氏 写真:Craig Y. Fujii
日本のホスピタル・クラウン活動
日本でホスピタル・クラウン活動を展開している団体はいくつかあります。 なかでもNPO法人日本ホスピタル・クラウン協会が有名です。 代表の大棟耕介さんはクラウン・パフォーマンスを競う世界大会WCA(World Clown Association)のコンペで金メダル(世界第一位)を獲得するほどの腕前です。 私も実際に何度か拝見したことがありますが、椅子や机を使ったバランス芸は人間業とは思えません。 また、パッチ・アダムス氏とも交流があり、たびたび共同でロシア等へ訪問されています。
病院での活動は非常にデリケートな問題をはらんでおり、クラウンであればだれでもホスピタル・クラウンになれるわけではありません。 病気や衛生に対する知識、子どもへの接し方などの訓練が行き届いたクラウンが現場に立つことを許されるのです。 アレルギー等への配慮から、ホスピタル・クラウンは通常のクラウン活動でしている白塗りのメイクをせず、 ほぼメイクなし赤い鼻だけをつけて病院へ訪問します。
日本ホスピタル・クラウン協会では、子ども内では小児病棟での活動を主にしていますが、 近年では、洪水被害、地震被害があれば被災地に訪問し現地の人に元気にしています。 最近ではテントのサーカスを開催するなどますますパワーアップしており、今後の活躍にさらに注目が集まりますね。
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