人工知能に学ぶ魅力的な笑顔の作り方

自動で顔の加工ができるアプリFaceApp

今年に入ってからスマッシュヒットを飛ばしているのがFaceAppというアプリです。
名前は知らなくても多くのメディアやSNS上で情報が取り上げられているので見聞きしたことがあるという方も多いでしょう。 このアプリの機能は、画像内に含まれる顔をユーザーが指定した方式に加工するというものです。 加工方式には、笑顔、老化、若返り、男女の性別の変更などがあります。

通常であれば、こうした画像を加工するためには人間がパソコン等で苦労して作業を行うのですが、 このアプリではワンタッチで精度が高い加工ができるため、大変な人気が出ました。
真面目な目的で利用するというより、様々な画像を「笑わせてみる」という使われ方をしています。 普段は決して笑わない上司の写真を笑顔に変えるのはもちろん、歴史上の偉人の肖像画を笑顔にしてしまったり、 アニメキャラクターを笑顔にしたりとその適用範囲の広さには目をみはるばかりです。
画像加工によって生じがちな「不自然さ」が少ないのも見どころで、もともとそういう写真があったかのように上手に加工してくれるのです。


FaceAppのアイコン

FaceAppの人工知能から笑顔を学ぶ

FaceAppには人工知能が使われています。
その中身は企業秘密ですが、少なくとも画像の認識、生成、合成という3段階を深層学習(DeepLearnig)を用いながら処理しているようです。 たとえば、入力された画像を笑顔にする仕組みを作るには、(1)大量の笑顔の画像を入力することから笑顔の特徴を覚えさせ、 (2)本物の写真に近い写真を生成するよう学習させ、(3)元の画像の人物と生成した画像とを上手く合成していると考えられます。
要するに、FaceAppが出力する画像には、人工知能が学習した人間の笑顔のポイントがあらわれるのです。 今回はこのFaceAppを用いて、私たちが効果的に笑顔を作るためのコツを学ぼうと思います。

モナリザの微笑をより笑わせる

早速、アプリを使ってレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』を笑わせてみましょう。


FaceAppを使って『モナ・リザ』を笑わせる

画像左が元画像で、画像右がFaceAppの「Smile2」適用後の「笑った」画像です。
絵画でもごく自然な笑顔を生成できていることがわかります。
さて、2つの画像を注意深く比較してみましょう。
どこが変化しているでしょうか?
一目で、口だけを変化させていることがわかります。
笑顔の特徴として「歯を見せて口角を上げること」を人工知能が学習し、その結果が反映されているのです。

能面を笑わせる

今度は、笑顔の特徴をより明確に出すために、表情がほとんどない能面を笑わせてみましょう。


FaceAppのSmile2フィルタ適用(女面「増女」東京国立博物館)

やはり先ほどと同様、歯を見せて口角を上げています。
しかし、その表情にはどこか不自然さが伴っていませんか?
もう一つの笑顔フィルタ「Smile」を適用してみましょう。


FaceAppのSmileフィルタ適用(女面「増女」東京国立博物館)

今度はやや自然さが増したように思えます。
どこが変化したでしょうか?
「Smile」は口だけでなく、顔の表情全体に変化が施されるフィルタのようです。
人間により近い肌つやになっているほかに、わずかな差異なのですが、眉が下がり目が若干細くなって、いわゆる「目が笑っている」状態になっています。
FaceAppの人工知能はこうした微妙な差異までも学習していたのです。
「目は口ほどにものを言い」といいますがこの微妙な差異を私たちは半ば無意識のうちに感じ取っているんですね。

まとめ

目と口に注意しながら笑顔をつくれば、客観的に自然な笑顔に近づくことができる、ということを今回は人工知能から学ぶことができました。
就活や婚活、人と会う前にこのことを意識するだけで成果も異なってくるはずです。
客観的な視点で自分を観察するのは難しいことですので、 みなさんも自分の笑顔を人工知能に作ってもらって確かめてみてはいかがでしょうか。

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