こみあげてくる笑いを抑える方法?

コラム

われわれ笑いの測定プロジェクト、WARAI+(ワライプラス)では笑いの測定を通じて日々の笑いの増加をサポートしています。笑いが増えればなんでもよい、と考えているわけではありません。卒業式やお葬式など笑いには不適切なシーンがあります。今回は笑いがこみあげてきたときになるべく笑わないで済むようにする対処法を紹介します。

質問サイトで多い「笑いをこらえる方法」

みなさんが笑いに関してなにを知りたがっているだろう、と思って私はある日Yahoo!知恵袋や教えてgooを検索しました。「笑い」に関する質問で圧倒的に多かったのは「笑いをこらえる方法」。これには困惑しました。笑いの増加活動を展開しているわれわれにとって、その逆をみなさんが望んでいるのですから。まず、どのようなシーンで笑いが起きて困っているのでしょうか。

笑いをこらえたくなる場面
  • 卒業式
  • 授業中
  • 全校集会
  • 部活中
  • 合唱コンクール
  • お葬式
  • 怒られているとき

ほとんどが小、中、高校での話です。笑いが止まらなくて困っているのは、若い人に多いようです。「箸が転んでもおかしい年頃」というように、若いころは笑いが起きやすく年を重ねるにつれて笑いの頻度も少なくなります。「年をとること」でこの悩みも少なくなっていくといえます(病気である場合を除く)が、今を生きる少年少女にとっては真剣な悩みです。よい対策はあるのでしょうか。

笑ってはいけないときはどうすればいいのか

つくり笑いでない自然な笑いは意識的に制御することが困難です。笑い始めることはもちろん、抑制も難しいのです。始末が悪いのは、「笑ってはいけない」と意識すればするほど、反動が大きくなる点です。これを心理学の用語で心理的リアクタンスというそうです。笑いは「負荷脱離」であるとする笑いの統一理論の観点からも、「笑ってはいけない」と考えて負荷を増すことは、余剰出力を増やすため笑いが大きくなることにつながります。

ウィキ型オンラインコミュニティ「wikiHow」から笑いを抑える方法をピックアップしました。補足しながら紹介しましょう。

笑いをこらえる方法
  • 身体に強い刺激を与える
  • 呼吸を整える
  • 口を開く
  • 悲しいシーン、恐怖シーンを思い出す
  • 他のことを考える
  • 笑いの原因から離れる

身体に強い刺激を与える

唇、口内、舌をかむ、腕をつねる、鼻をつまむなど、身体に刺激を与えます。これも実践したことがある人も多いでしょう。精神に集中した負荷を身体的刺激でごまかすこの方法は、精神的な負荷を身体的運動に転換する笑いの逆入力のようなものですね。有効性の高い方法と言えますが、ある程度強い刺激である必要があるので、身体にダメージを受けるおそれがあります。身体的手段です。

呼吸を整える

笑いは断続的呼気をともなって制御がきかなくなる身体運動です。大きく息を吸って吐いて呼吸をコントロールすることで、笑いに支配されつつある呼吸を取り戻すのです。これも身体的手段です。

口を開く

笑いで反応する表情筋の動きを大きく口をあけることで抑制します。テレビ番組の「笑ってはいけない」シリーズで松本人志さんがよくやる方法ですね。表情に出したくない場合には使うことができないという弱点があります。身体的手段です。

悲しいシーン、恐怖シーンを思い出す

実践する人が多い方法ではないでしょうか。恐怖によって放出されるアドレナリンが笑いによって放出されるエンドルフィンを遮断します。笑いの統一理論では、出力の余剰化が笑いの原因ですので、余剰している出力を悲しみや恐怖に振り分けるのです。しかし、肝心なときにうまく適当なシーンを思い出せるのかという問題もあります。精神的手段です。

他のことを考える

秒数を数える、暗算するなどをして笑いの原因から精神的に離れます。精神的手段です。

笑いの原因から離れる

笑いの原因となるものを視界に入れないようにし、離れます。場所から離れられない場合は目をつぶります。根本的な解決はこれが一番ですが、実行できない状況もあるでしょう。身体的・精神的手段です。

まとめ

いかがだったでしょうか。笑いはいつ起きるかわかりません。なにより大切なのはこうした対策を知って実際に試し、自分にあった方法を身に着けておくことです。また、上に挙げた対策は複数組み合わせて使うことも可能です。いざというときに備えて、自分のワザを磨いてみてはいかがでしょうか。

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