笑い採点AI「UKETA」を使ってM-1グランプリの笑いと拍手の音声を解析します。
最終決戦3組の最も盛り上がったシーン
最終決戦の笑いや拍手の発生状況を見てみましょう。
1組目:ウエストランド
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縦軸はAIが判定した笑いや拍手の程度で、横軸に時間をとっています。
赤の↓矢印は笑いと拍手が一定時間継続する、特に盛り上がったシーンです。
トップバッターのウエストランドのテーマは、ファーストラウンドと同じ「あるなしクイズ」です。
以下ようなやりとりがありました。
河本「M-1にはあるけど、R-1にはない」
井口「はい!夢!」
ウエストランドの漫才では他の組とくらべて、笑いが頻繁に起きています。
また、前半に笑いを定期的に取りながら後半にかけて輪をかけて盛り上がっており高評価が期待できる形でした。
ネタ中の笑いと拍手の平均音量指数は25.29(1位)でした。
また、笑いと拍手の最大音量指数は0.931(2位)でした。
2組目:ロングコートダディ
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ロングコートダディはタイムマシンをテーマにした得意のコント漫才でした。
大きなウケが発生した2箇所は以下のくだりです。
兎「すげぇ!遠山の金さんや!『この桜吹雪が目に入らぬか!』って言ってる!
これ江戸時代や。行けー!突入ーー!」
堂前「これ、副反応って結構出るんですかね?」
兎「去年やんけーー!」
「去年のコロナのワクチン会場やんけー!」
兎「あれ水戸黄門や!印籠を出してる!これ、江戸時代っぽい。行くぞー!」
兎「あぶねぇ!」
「これマリトッツォだぁー」
こちらも笑いや拍手が頻繁に起きています。
笑いと拍手の双方を加味した平均音量指数は17.94(3位)でした。
笑いと拍手の最大音量指数は0.920でした(3位)。
3組目:さや香
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さや香のネタ中の笑いや拍手の発生状況を見てみましょう。
テーマは「男女の友情」。最もウケた2箇所は以下の通りです。
石井「好きな人できてんけどって相談受けて。
ああ、よかったやん、言うて。
どんな人やねん?誰が好きなんか教えろやって聞いても、
何でも言うくせに、それだけは絶対言わないんですよね」
新山「お前だろーー!!」
新山「キスっていうのは、
ある一定の清潔感のラインを超えてる人とやったら誰とでもできんねん。
キスってそういうもんやねん。
大人ってそういうもん。
できたらラッキー。
だから…
いつのまに俺がヤバなったん?」
序盤の笑いの少なさが響いて、笑いと拍手の双方を加味した平均音量指数は18.15(2位)でした。
大きな認識のズレが生じるネタで、拍手をともなう大きな笑いが出ており、
笑いと拍手の最大音量指数は0.933でした(1位)。
最終決戦審査結果と「笑い・拍手指数」との比較
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ウエストランドは順番的に不利ではありましたが、笑いや拍手の平均音量指数では他の2組を圧倒しました。よりたくさん笑わせ、拍手をされたということです。
とりわけ着目すべきは笑いの数で、ウエストランドが一つ頭を抜けていました。
6票獲得で納得の優勝ということができると思います。
1票獲得のさや香は瞬間的な笑い・拍手の大きさが1位だったのですが、ウエストランドを圧倒するというほどでもなかったというのが惜しかった点です。
0票のロングコートダディは他の2組と比べると1位の指標はなかったのですが、
他の2組と見劣りしないほどウケており、今回の最終決戦も評価が難しい見ごたえがある戦いだったといえるでしょう。
WARAI+ではAIのチカラを活用することで、公平な審査の実現、審査員の負担の軽減をできればと考えております。
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