つらいアトピーも笑いで治る?
笑いと健康シリーズ(11)笑いとアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の現在主流の治療法は、ほぼ一択、ステロイド入り軟膏薬を塗布する方法です。
ステロイドの短期的な効き目は目を見張るものがありますが、完治にまでは至らず治療が長期化するケースも多いです。
また、ステロイドには副作用があることが指摘されており、患者の脱ステロイドへの希望は大きいです。
今回はステロイドに頼らない治療を行う木俣肇先生の研究を紹介します。
笑いでアレルギー反応が抑制された!
大阪の木俣肇クリニック院長の木俣肇先生は、アトピー性皮膚炎の専門医です。
笑いがストレス解消、NK細胞の活性度合の適正化もたらすことに注目し、笑いのアトピー性皮膚炎に対する反応を調べました。
実験では、コメディ映画を観るグループと天気予報を観るグループに分け、各映像の視聴の前後にアレルギー反応の程度を測定しました。
実験の結果、コメディ映画を観たグループでは天気予報を観たグループよりアレルギー反応が減少することが確認されました。
(下図:大阪府 笑いと健康)
(Kimata, H.(2001). Effect of humor on allergen-induced wheal reactions. JAMA: Journal of the American Medical Association, 285(6), 737.)
また、木俣先生は母親の笑いがダニアレルギーを持つ乳児に対して影響を与えるか、ということも実験で調べました。
驚くことに、母親が笑うことで子どものアレルギー反応も抑制されることが確認されました。
母親が笑うことで、母親の母乳に含まれるアレルギー反応を抑制するホルモン「レプチン」の量が増加していたのです。
心地よいことが大事――キスでもよい
木俣先生は、さらに、実験で母親が笑いながらミルクを与えるとどうなるかも調べました。
なにも効果がないと思いきや、この場合でも子どものアレルギー反応の抑制効果は確認されました。
周りの人が笑っているだけで、子どもを楽しい気持ちにさせ、免疫力がアップしたと考えられます。
木俣肇先生は2015年のイグノーベル賞の授賞者ということでご存じのかたも多いでしょう。
授賞理由は、恋人やパートナーを集め、30分間自由にキスをしてもらってアレルギー反応を調べた結果、キスにはアレルギー反応の抑制効果があったという研究です。
(Kimata, H(2003). Kissing reduces allergic skin wheal responses and plasma neurotrophin levels. Physiology & Behavior, 80(2-3): 395-398, November.)
前回の記事にも書きましたが、人間の心と体は密接に関連していて、人間にとって「心地よい」と感じることは、肉体にもよい影響を与えることがあります。
みなさんも、笑いにキスに、ほかにも「心地よいこと」をどんどん実践して心身ともに健康な状態をめざしてはいかがでしょうか。